人の体は血糖値を上げるグルカゴンやコルチゾルなどのホルモンと下げるホルモンのインスリンを備えています。
そして糖尿病の話をするときに欠かせないのが血糖値を下げるホルモン・インスリンです。
インスリンが血糖値を下げることは広く周知されるされていますが、インスリンがどのように血糖値を下げているかを知っている人は意外と少ないようです。
まず、血糖値の血糖とは血中のブドウ糖のことを言います。血中のブドウ糖濃度が基準値より高いと「血糖値が高い」ということです。
インスリンがどのように血糖値を下げるかというと、インスリン自身がブドウ糖を処理しているわけではありません。
インスリンは筋肉細胞や肝臓にブドウ糖を取り込ませることによって血中のブトウ糖濃度を下げます。
ブドウ糖の元は糖質ですが、現代の食事は糖質が主食ですのでその分、インスリンもたくさん必要になります。
こうしてインスリンが多量に分泌されて、すい臓のβ細胞が疲弊していき、やがて分泌量が減って糖尿病になります。
血糖値を上げるホルモンはグルカゴン、コルチゾル、アドレナリン、成長ホルモンがあります。
それに対して血糖値を下げるホルモンはインスリンしかありません。
人の体は低血糖を恐れていますが、高血糖になることを想定していないということです。
これは体の反応を見ても判ります。
低血糖に陥るとだるさや震え、冷や汗、動悸など様々な症状がでますが、高血糖になってもペットボトル症候群のような血糖値が800や1000といったとんでもない数値にならない限り症状はでません。
自覚症状がでるころにはすでにβ細胞は相当痛めつけられています。
現代の白米、パン類、麺類などの糖質を主食にした食事内容は人の体にはまったく合っていないんですね。
空腹時血糖値の正常値は80〜110mg/dl未満、食後血糖値は140mg/dl未満。
改めてこの数値を見ると血糖値は非常に狭い範囲で精密にコントロールされていることが解ります。
「血糖値の推移の波が穏やか=糖質の摂取量が少ない=インスリンの分泌量が少ない」ということが人の体にとって自然であるということですね。
このように考えれば糖質の過剰摂取は毒であるということがよく解ります。
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