血糖値を下げるために必要なこと

糖新生

糖新生とは肝臓で行われる、糖以外の代謝物質から糖を作り出す機能で、この機能が高血糖を改善させるための大きな鍵になります。

糖以外の物質とはグリセロール、アミノ酸、乳酸の3つです。


・グリセロールからの糖新生

中性脂肪が分解されると脂肪酸とグリセロールになります。脂肪酸はエネルギー源となり、グリセロールは肝臓に運ばれ糖新生によってブドウ糖に代謝されます。


・アミノ酸からの糖新生

筋肉のたんぱく質分解によって生産されたアミノ酸が肝臓に運ばれ糖新生によってブドウ糖に代謝されます。


・乳酸からの糖新生

運動強度の高い運動をすると解糖系によってエネルギーが生産されますが、エネルギー源であるブドウ糖は最後は乳酸に代謝されます。乳酸は肝臓に運ばれ糖新生によってブドウ糖に代謝されます。

糖質の摂取は必要?

高血糖とは血中のブドウ糖を処理しきれなくなって余っている状態です。高血糖の改善はこの余っている糖を余らないようにするだけです。


方法は2つ。すい臓のβ細胞に頑張ってもらってたくさんインスリンを分泌させるか、糖が余らないように糖質の摂取量を減らすかです。


インスリンをたくさん分泌させるのは論外ですね。インスリンの過剰分泌がβ細胞を弱らせているのに、これ以上分泌しては取り返しの付かない状態まで悪化してしまいます。


最近ではインスリンの分泌量が足りないのなら外から直接インスリンを補給すればいいと治療の第1選択肢に経口血糖降下薬ではなく、いきなりインスリン注射を進める医師も増えてきました。

これは正しい選択だと思います。ただ、インスリン注射も万能ではありません。インスリン注射による高血糖治療はβ細胞を助けても、人が本来持っている血糖コントロール力には遠く及ばないためか、アルツハイマーのリスクが跳ね上がったり、慢性低血糖などの副作用があります。


となれば、高血糖改善の方法は糖質の摂取量を減らすということになります。そうです。正しい高血糖の治療法は糖質の摂取量を減らすことです。


「糖質の摂取量を減らして大丈夫なのか?低血糖になるのでは?」と思われるかもしれませんが、人のエネルギー源は脂質ですし、糖新生があるので必要最低限のブドウ糖を確保できるので低血糖にはなりません。


野菜には糖質が結構含まれているので、ビタミン、ミネラル摂取のためにどうしても摂取カロリーの1,2割は糖質になってしまいますので、それ以外では糖質ゼロを目指すくらいでちょうどいいです。


気をつけたいのが糖質量を減らしても食事量を減らさないこと。

糖質を減らした分のカロリーは脂質とたんぱく質を増やしてカロリー不足にならないようにしましょう。



ケトン体


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