ケトン体とはアセト酢酸、β- ヒドロキシ酪酸、アセトンの総称です。糖新生に続いて高血糖改善のもう1つの大きな鍵になります。
摂取した脂質が消化、吸収されると脂肪酸に代謝されます。また中性脂肪が分解されても脂肪酸になります。この脂肪酸が人のメインエネルギー源なのですが、そのままエネルギー源として使われるわけではありません。そこからさらに幾つかの代謝物を経て、エネルギー生産経路に入ります。
インスリンは脂質代謝を妨げる効果があるホルモンなので糖質を大きく制限すると脂質代謝が活発に働きます。そうなるとエネルギー生産経路が脂質代謝物で一杯になってそれ以上脂質代謝物を受け入れられなくなります。この状態になると脂質代謝物は肝臓に運ばれケトン体を生産します。
ケトン体はケトン体を生産する肝臓とミトコンドリアを持たない赤血球以外で使われる安全度と自由度の高いエネルギー源です。
血中ケトン体の基準値は28〜120μmol/lですが、これは現代食が糖質6脂質2たんぱく質2という割合の栄養になっているからです。インスリンは脂質代謝を妨げるので現代人はケトン体が生産されづらいため、どうしても低値になります。
ところが、人は日常生活では脂肪酸、ケトン体をエネルギー源しています。
明らかに矛盾していますね。この矛盾が糖尿病を初めとした現代病の原因である場合が多いです。
だったらインスリンの過剰分泌の原因である糖質を制限すれば解決です。
糖質をカットすれば脂質代謝が活発に働き、中性脂肪がドンドン削られ脂肪酸に代謝され、そのままエネルギー源として代謝されるかケトン体になります。
ちなみにインスリンは糖新生も妨害します。
考えれば当然ですね。糖質を摂取すればわざわざ糖を生産する必要がありませんから糖新生が働きません。
糖質を制限しインスリンの分泌を最低限に抑えることができれば、ミトコンドリアを持つ細胞には脂質代謝でエネルギー源を作り、糖を使う割合の多い脳や糖しかエネルギー源にできない赤血球は必要なエネルギー源を糖新生によって確保できます。
これで血糖値の波は大きく上下することなく血管へのダメージを防ぐことができます。
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