炭水化物、脂質、たんぱく質。
この3つの栄養素は人のエネルギー源になることから3大栄養素と呼ばれています。
炭水化物は糖質+食物繊維で食物繊維はカロリーにはならないので正確には3大栄養素は糖質、脂質、たんぱく質です。
消化、吸収の過程で糖質はブドウ糖に、脂質は脂肪酸に、たんぱく質はアミノ酸に代謝されます。
この3大栄養素の働きについて勘違いしている人が非常に多い。
特に糖質がメインエネルギー源だと思っている人が多いです。
・糖質は運動強度の高い運動をしたときに使われるエネルギー源
・脂質は運動強度の低い運動をしたときに使われるエネルギー源
・たんぱく質は細胞壁や肌や髪の材料
これが3大栄養素の働きです。
運動強度が高い運動とは無酸素運動やそれに近い運動のことを言います。
簡単に言うと、あっという間にゼェゼェハァハァとなる運動。逆に運動強度の低い運動は有酸素運動のことです。
ここで重要なポイントが1つ。
運動強度の低い運動には日常生活も含まれます。
例えば階段を昇り降りするにもエネルギーは使われますし、ただ歩くだけでもエネルギーを使います。さらに言えば、呼吸は人が行う最小の有酸素運動です。
つまり人は1日に使うエネルギーのほとんどを脂質代謝によって生産しているんですね。
たんぱく質もエネルギー源になりますが、メインの役割は肌や髪など人の体を構成する材料になることでほとんどエネルギー源にはなりません。
脂質がエネルギーを生産し、たんぱく質は体を作る。
では糖質はどのような状況で使われるのでしょうか。運動強度の高い運動とは?糖質をエネルギー源に使うメリットは?
・素早いエネルギーを供給できるエネルギー源
・赤血球のエネルギー源
・脳のエネルギー源
この3つが糖質の役割です。1つ1つ見ていきましょう
・素早いエネルギーを供給できるエネルギー源
無酸素運動あるいはそれに近い運動ではエネルギーの消費速度が高まるのでとにかく素早いエネルギーの供給が必要になります。
糖代謝は脂質代謝に比べてエネルギーの生産量は少ないですが、生産速度が格段に速いのでエネルギー需要が高まると糖質が使われる割合が増えます。
筋肉に蓄えられている糖質は緊急時に使われるエネルギー源なんですね。
・赤血球のエネルギー源
人にはエネルギーを生産するのにミトコンドリア系と解糖系があります。
この2つの違いは、ミトコンドリア内でエネルギーを生産するか、ミトコンドリア外でエネルギーを生産するかです。
ミトコンドリア系は3大栄養素からエネルギーを生産しますが、解糖系はその名の通り、糖代謝のみでしかエネルギーを生産できません。
赤血球は人の細胞で唯一ミトコンドリアを持たない細胞ですので、必然的にエネルギーの生産経路が解糖系のみになります。
・脳のエネルギー源
「脳は糖質しか使わない」
この説は誰もが聞いたことがあると思いますが、これはウソです。
脳細胞はミトコンドリアを持っているので糖質以外のエネルギー源もエネルギーにします。
ただ脳はエネルギー源を取り込む仕組みが骨格筋や心筋など他の細胞とは少し違いがあるため糖質の使用量が多くなります。
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