次は運動について
運動による血糖降下作用は個人差が非常に大きく、人によっては血糖値が上昇してしまう場合もあります。
「えっ血糖値上がるの!?」と驚くでしょうが事実です。
それは、人が運動などでブドウ糖を消費すると肝臓がブドウ糖を放出したり、糖新生で血糖値を一定に保とうとするからです。
例えば、ある程度糖尿病が進行し、インスリンの基礎分泌能力が低下してしまっている人がいるとします。
その人が食後に運動をするとブドウ糖が消費され一時的には血糖値が下がりますが、運動強度によっては肝臓がブドウ糖を放出したり、糖新生が起こったりして血糖値を上昇させようとします。
インスリンの基礎分泌能力が衰えているので血糖値の上昇を抑えきれずに、結果運動前よりも血糖値が高くなってしまいます。
これはほんの1例ですが、運動はブドウ糖を消費して血糖値を下げる効果がありますが、その人の状態によっては血糖値を上げてしまうこともあるということを覚えておいてください。
ではどうするればいいのか。
これは個人で調整するしかありません。
食後30分に30分のウォーキング。運動後30分、60分、90分の血糖値を測定して血糖値の推移を調べると、どの程度の時間、どの程度の運動強度の運動をすればいいか判ってきます。